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チュラロンコン大学獣医学部訪問報告

チュラロンコン大学メインキャンパス

2018年3月18日~21日までの4日間、タイ王国のチュラロンコン大学獣医学部を視察訪問して参りました。チュラロンコン大学は1917年に創立されたタイで最も古い歴史を有する国立大学です。キャンパスはバンコク市街に位置し、19の学部より構成されています。チュラロンコン大学獣医学部は現在、約1000名の学生 (学部学生、大学院生を含む)を、約150名の教員と300名のサポーティングスタッフで教育しています。学部教育は6年制であり、1学年100-150名で、そのうち約80%を女子学生が、残りの約20%を男子学生が占めるとのことでした。最近は学部学生の50-60%が小動物臨床、10%が公務員・産業動物臨床、20%が民間企業、10%が進学といった進路を選択する傾向が続いているとのことでした。
今回の訪問では、獣医学教育、動物医療、研究活動の3方向より見学をさせて頂きました。教育では、学部学生を対象とした臨床ローテーション実習、病理学実習、寄生虫学実習および、大学院生による症例報告プレゼンテーションを見学させて頂きました。病理学実習はバーチャルスライドシステムが導入されておりデジタル化された病理組織標本を用いて実習を展開していました。また、臨床ローテーション実習ではローテーションに剖検実習が組み込まれていました。大学院生による症例報告プレゼンテーションでは、大学院生による10分間程度の発表に対し、教員や臨床ローテーション実習に参加している学部学生が30分間程度質問をするといった形式がとられており、大変活発な質疑応答がなされていました。

寄生虫学実習の教材

4年生の病理学実習

大学院生によるプレゼンテーション

獣医学部附属動物病院は非常に大規模であり、内科、外科、画像診断科、腫瘍科、放射線科、皮膚科、神経科、眼科、リハビリテーション科、救急診療科、猫専門診療科、エキゾチック動物診療科の12つの専門診療科が設置されるとともに、血液バンクなどの医療施設やCT、MRI、核医学システム、放射線治療装置、リハビリテーション用プールなどの医療設備が備わっており、連日、多くの動物が専門的な高度診療を受けていました。私個人としては、歩行障害を呈するゴールデンレトリバー犬が広大なプールでリハビリテーション専門治療を受ける光景が印象的でした。また、動物病院には水棲動物研究センターが併設されており、魚類やウミガメなどの水棲脊椎動物の医療、診断、予防を積極的に実施していました。

小動物教育病院の外観

小動物教育病院リハビリテーション科水泳リハビリテーション

また、獣医病理学研究室において細胞診断、病理組織診断に関するディスカッションに参加させて頂くとともに、”Histopathologic features of Mycobacterium chelonae infection in two farmed Japanese pufferfish (Takifugu rubripes) ” に関する研究報告をさせて頂きました。教員および学生よりPCR法によるMycobacterium chelonaeの同定方法やMycobacterium chelonaeの哺乳動物に対する病原性に関する質問がでました。
国際交流担当の副学部長Dr. Taradon Luangtongkumとお話をする機会を作って頂き、本学獣医学部の学生や教員の受け入れを含めた国際交流の可能性に関して質問したところ、是非とも前向きに検討したいとの返答を頂きました。今回の滞在中、チュラロンコン大学の教職員の方々には終始親切に接して頂き、大変充実した4日間を過ごすことができました。このような有意義な機会を与えて頂きましたことに心より感謝致します。

病理学研究室の先生方との昼食会

副学部長Dr. Taradon Luangtongkumとともに

報告者
獣医学部 獣医学科
臨床病理講座 教授
杉山晶彦

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